- 教員氏名
- 生駒 幸子(いこま さちこ) 准教授
- 所属学科
- こども教育学科
子どもの言葉を豊かに育む児童文化財、絵本の研究をしています。現代は明るく楽しい絵本がたくさん出版され、誰でも絵本を楽しむことのできる時代ですが、戦時中そして戦後にはどのような絵本があったのかを調査しています。絵本というメディアも社会情勢と無関係ではなく、戦時中と戦争が終わった平和な時代では、絵本の出版傾向も面白さも異なることがわかってきました。子どもたちがいつの時代にも、大好きな人に楽しい絵本を読んでもらうことができるようにと願いながら研究に取り組んでいます。
専門的な学びの前に、映画やアニメーション、漫画、文学なども含めて多くの物語を鑑賞しておいてほしいと思います。「物語」との出合いは、私たちの心を揺さぶります。嬉しい、愉快、悲しい、胸が痛む、もやもやするなどの多様な感情が湧き出るのは、私たちが想像力を駆使して「物語」を体験しているからでしょう。ひとつのものをあちらから見てみると? ではこちらから見てみると? という想像力の向こうにある多角的なものの見方へのヒントが「物語」には隠されています。
自分の心のなかに湧きおこる気持ちを「言葉」にしてみることは大切ではないかと思います。ペンを手に取って書いてみる、スマホにメモするなどして言葉にすることです。誰かに見せる必要などありません。自分だけの言葉です。これは大人である私たちにとっても大切なことだと考えているのですが、気持ちを「言葉」にすることは自分の心をよりはっきりと捉え、言葉の持つ意味や力を感じる機会になると思います。自分の気持ちと向き合うのは勇気の要ることですが、プラスの気持ちも、マイナスの気持ちも“言語化”してみることによって、きっと「言葉」の持つ力に気付かれることでしょう。