
「子どもの食と栄養」では、調乳や離乳食、幼児食などの調理実習を年8回行います。最終回は、5歳児に向けた「行事食」をテーマに学生自ら献立を考え、食材を購入し、調理します。グループで話し合い意見をまとめ、役割分担して企画に取り組むことで、新たな発見・解決策を見出すことで協調性も身につきます。この実習は、学生一人ひとりが自分の食生活を見直せる機会にもなっています。食をより身近なものとしてとらえつつ、栄養バランスや食べやすさ、季節感、彩り、食材原価を考慮して献立を提供し、こどもたちに食事の大切さや楽しさ、食べ物への感謝の気持ちを伝えます。それらのプロセスを体験することで、食に関わる知識と技術が体得でき、予算内で計画・実施することで経済的な思考力も養われます。自分らしい暮らしは、「食生活の自立」を実現するところから始まります。そのためには、調理や食事に関する基礎教養が必要です。近年、食育が注目されていますが、それでもまだ、「食」について学ぶ機会は十分とはいえません。「食文化の継承」の重要性を本実習でしっかりと学修し、将来の「食生活の自立」につなげていってほしいと考えます。
野口 聡子教授
[専門分野]栄養学・調理学・食育
こどもは遊びのなかで自然や周囲のさまざまな音に触れ、「美しさ」「おもしろさ」「不思議さ」を感じています。また、自分の身体や声、身の回りのモノを使って音を創り出し楽しんでいます。この授業では、音に関わりこどもが紡ぐ表現の世界を、実際に体験しながらみなさんにも感じ取ってほしいと考えています。環境と対話し、どのような音が身の回りに存在しているかを見つけてみましょう。また、ボディパーカッション・つくりうた・手づくり楽器など、仲間と音を楽しみながら「創る」体験を重ねていきます。心も体も柔らかくして、思いきり仲間と表現することを楽しんでください。この授業の体験から、こどもの素朴な表現に気づき、支え、共に楽しむために必要な援助や指導方法を、音楽表現の視点から深く学んでほしいと考えます。
田中 知子准教授
[専門分野]教育学・音楽表現
保育の現場では、すべてのこどもに目を配る広い視野、高度な実践力や対応力が求められます。それらは保育者自身の心身の健康のうえで成り立ち、保育現場の「働きやすさ」は実社会でも課題となっています。私が教育実習(秋期)で得た最も大きな気づきは、保育者同士の連携です。実習先のクラス担任の先生は、絵本や紙芝居などでこどもたちの反応が良いと、他クラスの先生とも共有していました。良いと感じた体験を周囲とシェアするなかで保育者の不安や悩みが軽減され、園児たちへの目も行き届く、より良い保育・職場環境につながるのではないでしょうか。実習を通じて得た気づきと広い視点を活かし、こどもの健やかな成長を支援する保育を展開していきたいです。
神山 亜珠海さん
こども教育学科 2年生(大阪府立枚方津田高等学校 出身)