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社会福祉学特殊講義VIでは、講義だけではなく調査活動や、フィールドワーク、点字実技等も行うことが特長です。障がい者市民が直面する課題を市民全体の問題としてとらえ、それぞれが共通に理解を深めるために、課題別のテーマを掲げ、講義、体験、フィールドワーク等の手法を駆使しています。
本日の授業では、盲導犬とその暮らしについて学ぶため、滋賀県より盲導犬ユーザーの前田眞理さんとそのパートナー・パズ君をゲストにお招きし、盲導犬のこと、盲導犬との生活についてたっぷりとお話いただきました。
前田さんのもとにやってきたパズ君は、7歳の男の子。人間でいうと働き盛りの40代です。今日はあいにく朝から激しい雨が降り続いていたので、レインコートに身をつつみ、滋賀県のご自宅からこの深草学舎まで、バスと電車を乗り継いでやって来てくれました。
性格があうかどうか、というよりも、生活スタイルがあうかどうかが大切です。盲導犬も人と同じように、ひとりひとり個性があります。階段の上り下りが得意、電車の乗り降りが得意、人混みがちょっと苦手、疲れやすい等々、得手不得手もあります。初めて出会った頃は、お互いが新米同士なんです。だから、一緒に歩んでいけるように、互いに信頼関係を築き、うまく生活できるように努力します。
重たいハーネスをはずしたら、家庭で飼われているワンちゃんと同じです。パズくんもハーネスをはずしてもらうと、たくさんの学生に囲まれて、教室を駆けめぐります。でも前田さんの側から離れてしまうと、すぐ元に戻ってきました。
――本日の授業では、盲導犬とその暮らしぶりを学ぶだけでなく、自分たちも社会市民の一員であり、私たち一人ひとりの思いやり、心がけで、誰もが暮らしやすい街になるんだということを学びました。
「ハーネスをつけている時、つけていない時の盲導犬の極端な様子を感じた。犬らしさを感じた」
「間接的には街やテレビ、映画などで見たことがあったが、生の盲導犬とじかに触れられたことが良かった」
「パズとパートナーの前田さんとの結びつきの強さ、そこに至までの訓練の効果を感じた」など学生からは様々な感想がよせられ、実りある授業となりました。