健康福祉コースでは、心理・スポーツ・レクレーション等の福祉関連領域における基礎を、座学による講義だけでなく、実習や福祉体験活動を通して、理論的・実践的に学ぶことを目的とし、現代社会での福祉のあり方、動向を探究しています。福祉の新しい考え方や動向を背景として、心理・スポーツ・レクレーション等は、福祉と密接に関連する重要な分野です。健康福祉コースの実習科目のひとつ「福祉体験活動II」では、次のような実習の場を提供しています。
健康福祉コースに所属する学生は、上記プログラムから各自の希望に応じて選択し、スポーツやレクレーション等、様々なスタイルの実習を通して社会福祉を体験的に学びます。
今回は、「バリアフリーダイビング」について実習体験内容をご紹介します。
※写真をクリックすると拡大、もう一度クリックすると元に戻ります。
「日本バリアフリーダイビング協会」のご協力のもと、沖縄県で開催された「バリアフリーダイビング全国大会」にボランティアスタッフとして参加しました。
「日本バリアフリーダイビング協会」は、年齢(高齢)や障がいの有無に関わらず、全て人々に生涯にわたってスポーツを楽しんでもらうことを目的に、スキューバーダイビングの普及活動を行っておられます。
大会の1日前に学生たちは沖縄に行きます。それは、まずはボランティアスタッフとなる学生が、スキューバーダイビングを体験するためです。
学生自身が、スキューバーダイビングを体験したことがなければ、大会に参加された方たちと、ダイビングの楽しさや海の美しさ等の話が、同じ立場で出来ないからです。 ダイビングの基礎的な技能、注意しなければいけない点など、入念なご指導をうけ、実際に学生自らがダイビングに挑戦しました。ウエットスーツに身を包んだ学生は、初めて体験するダイビングに緊張しながらも、沖縄の真っ青な海に感激していました。
実は船酔いや、緊張からそれほどスキューバーダイビングを楽しめなかった学生もいました。
ボランティアスタッフとしての活動が始まりました。 那覇空港で大会に参加する方たちを出迎えるグループ、ホテルで準備をするグループに分かれました。
この大会では、高齢や障がいのために何らかの支援が必要な参加者のことをゲストと呼んでいます。
学生は、大会中はずっと同じチームになったゲストの方といっしょに過ごし、必要なお手伝いを行います。このとき初めて出会ったゲストと、彼らはホテルの部屋も含めていっしょに過ごすため、24時間すべてが実習の場となります。彼らはその方たちとコミュニケーションをとり、信頼関係を築き、ともに楽しむ時間を持つための努力をします。大変ではありますが、大会終了後には、ひとまわりもふたまわりも成長した彼らに出会えることになります。
大会スタッフの方から、今後のスケジュールや基礎知識について教えていただき、予行演習から本番にむけて心と知識の準備を行います。その中には障がいをもった方々の介助をするため、車いす体験を行ったり、具体的な介助の方法を学んだりする時間もあります。
参加する各チームにわかれて、明日からバリアフリーダイビングに挑戦される方々と顔合わせをし、互いに参加した思いや希望を語り合いました。 その夜は、ホテルで開会式、ウエルカム・ディナーが行われました。まだ少し緊張気味の学生たちでした。
この日の午前中は「国際サンゴ礁年フォーラム」がありました。
2008年度は「国際サンゴ礁年」にあたるため、それにちなんで、沖縄のサンゴを守るための活動などについて学びました。 午後からは、ゲストの方々がダイビングを楽しむために、プールで実践さながらの練習を行いました。浅いプールですが、重たい酸素ボンベを背負っての練習は、海の危険性を学び、命の安全を守るための大切な予行演習となります。