File 3 「キャリアデザイン論」 対象:社会福祉学科 / こども教育学科

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短期大学部の学生は、2年間という長いようで短い期間の中、学業と並行して就職活動を行うことになります。その2年間の中で、自分の能力を磨き、なりたい自分になるための進路をみつけて自分の力で歩んでいけるように、短期大学部では将来の進路選択をサポートする授業を行っています。

例えば、学生各自が自分の希望する進路について、目的意識を持って、自分に向き合うことができるように、また相手に自分の考えをきっちりと述べるという要領を修得するために、模擬面接やゼミ別のガイダンスや自己啓発テストなどを行っています。自律した社会人として当然みにつけておくべきマナーや職場における職業倫理、対人関係の受容生も含めて、将来就職活動を進めるためのスキルも身につきます。

「キャリアデザイン論」の様子 −卒業生をお招きして−

短期大学部の学生は、社会福祉学科を卒業後、福祉の分野へ就職する人も多いですが、一般企業へ就職する人も数多くいます。福祉の理念を社会で活かせる場面というのは、福祉関係の職場においてだけではありません。

今回、キャリア開発に関する授業科目の一つ「キャリアデザイン論」において、短期大学部を卒業し、一般の企業に就職した諸先輩方にお越しいただき、一般企業で働くこと、社会で働くこととは何か、ご自身の体験談をもとに熱く語っていただきました。その一部をご紹介します。

杉本 真友子 さん

Profile:卒業後、大阪市内の信用金庫に就職。その後、一般企業(総務事務)に転職。

金融機関と一般企業の違いは、金融機関には、「現金」を直接扱う窓口があるということ。銀行でのお仕事は、受け取った100万円が、たとえ99万円であったとしても窓口を通してしまえば、それは、お客様でなく銀行の責任。その窓口で正確に現金を扱うことに責任がありました。また、窓口では、色々なお客様と会話することができ、感謝されたときは、本当にやりがいを感じました。

お店のレイアウトをみて、ここは車椅子の方が通りにくいのではなど、考えることがあります。それから、ATMで少しお困りの様子のお客様がおられたのでお声がけしてみると、そのお客様は目の不自由な方でした。福祉を学んでいなかったらその方が困られていたことに気づかなかったかもしれませんし、実際、私以外にその方が困られていることに気づいた人はいませんでした。福祉以外の職場で働いていても福祉の理念が自分の中で育っていると感じることはあるものです。


滝村 祐太 さん

Profile:卒業後、不動産会社の営業職として就職。現在は、流通小売業(スーパーマーケット)に勤務。

営業はモノを売るだけでなく、自分をアピールすること。お客様から、「あなただから、頼んでみようと思った」と言われたときは、本当に励みになりました。 就職活動に求められることは、自分は何ができるのか、ということと、それを説明する力です。また、協調性も重要だと思います。

現職のスーパーでの仕事では、お客様だけでなく、従業員とのコミュニケーションも大切です。職場が円滑にまわるよう管理者として配慮することを心がけています。 それから、知的障がい者の方がお買い物に来られていたとき、周囲の方々は困惑して何もできないでいたけど、僕はそっとサポートすることができました。福祉を学んでいてよかったなと思いました。


大久 保純子 さん

Profile:卒業後、アパレル産業に就職、百貨店のショップ店員として勤務。

色々な人との対話を楽しんで世界を広げることができると思って、アパレル業界で、販売の仕事を選びました。聴覚障がい者のお客様と筆談でやり取りしたことがあります。

「ありがとう、あなたのおかげで欲しいものが見つかって、良い買い物ができて嬉しい」と伝えてくださり、その後、筆談メモをすべて残しておきたいから、とメモを大事そうにハンドバックにしまわれました。このとき、仕事のやり甲斐を感じました。

福祉を学んでいたから、障がい者の方と関わることも自然体でできたし、お客様の立場に立って、考えることもできたのだと思います。


自分たちの未来は自分の力で切り開く、本学短期大学部は、学生の様々な進路選択を応援しています。